オーストラリアに到着して早めに行った方が良い手続きのひとつとして銀行口座の開設が挙げられます。
日本では別の銀行のATMでも手数料を支払うことによって引き降ろしなどが出来ますが、オーストラリアでは別の銀行のATMは使用することが出来ません。クレジットカード専用のATMでは大手銀行のキャッシュカードは使用できますが手数料が取られます。
口座維持手数料や金利、支店での口座開設サポート体制などそれぞれ比較すべきセールスポイントをいろいろまとめてみました。
どの銀行で口座を開設するのが一番使い勝手が良いのか参考になれば幸いです。
オーストラリアの4大銀行
オーストラリアで日本の都市銀行に当たるのが、下記の4大銀行になります。
NAB (National Australia Bank)
ANZ (Australia and New Zealand Banking Group Limited)
COMMONWEALTH
WESTPAC
オーストラリアには4大銀行以外にも多くの銀行がありますが、(例えばSt George Bank, Bank of Queensland, Suncorp 等)がありますが、銀行の信用度、支店とATMの数、口座維持手数料、銀行金利など総合的に考えるとやはり4大銀行で口座を開設することをお勧めします。
口座開設の重要チェックポイント
4大銀行について下記4つの重要ポイントを比較してみました。
口座維持手数料(普通口座の月額手数料)はいくらか?
ATMと支店の数はどのくらい?
銀行金利(年利)は最大何パーセント?(2022年11月現在)
普通口座名 | 月額口座維持手数料 | ATMと支店の数 | セービング口座最大金利 | |
NAB | NAB classic banking | $0 | 3,400 | 3.50%* |
ANZ | ANZ access advantage | $5* | 3,000 | 3.50%* |
Commonwealth | CBA smart access | $4* | 4,000 | 3.50%* |
Westpac | Westpac choice | $5* | 3,000 | 3.50%* |
NAB
普通口座の月額手数料は一切かかりません。
金利が高いNAB reward saver は通常年利0.10%+2.65%(ある月に最低1回は口座への振り込みがあり、また1回も引きおろしが無い場合のボーナス金利)の最大2.75%です。
または NAB i Saver は通常年利1.10%+2.40%(口座開設後4か月間のみボーナス金利)の最大3.50%です。口座開設後5カ月目以降は通常年利1.10%のみになります。
ANZ
25歳未満、または毎月$2,000の振り込みがある場合、またはTAFEや大学などでフルタイムスチューデントの場合は月額口座維持手数料5ドルが免除されます。
金利が高いANZ Online saver は通常年利0.60%+1.55%(口座開設後3か月間のみボーナス金利)の最大2.15%です。口座開設後4カ月目以降は通常年利0.60%のみになります。
ANZ Plus アプリをダインロードして口座開設するとANZ PlusとANZ Saveの二つの口座がオープンされます。口座手数料は無料でANZ Saveアカウントには年利3.50%がつきます。
Commonwealth
毎月$2,000の振り込みがある場合、または25歳の人は月額口座維持手数料4ドルが免除されます。
金利が高いCBA Netbank saverは通常年利1.35%+2.15%(口座開設後5か月間のみボーナス金利)の最大3.50%です。口座開設後6カ月目以降は通常年利1.35%のみになります。
6か月目以降はCBA Goal Saverに切り替えれば2.70%の金利です。(毎月この口座に振り込みがあり、月末の残高が月初の残高よりも高い場合)
Westpac
新たにオーストラリアに到着した場合に最初の12か月は口座維持手数料が免除、または30歳未満、またはスチューデントの証明が出来る場合は月額口座維持手数料5ドルが免除されます。
金利が高いWestpac Lifeは通常年利1.35%+2.15%(ボーナス金利)の最大3.50%です。ボーナス金利の条件は毎月この口座に入金があること、月末の口座残高が月初残高より多い事、口座残高が必ずプラスである事になります。
銀行金利について
銀行金利は日ごとに計算されて、月に一度口座に振り込まれます。普通口座に置いていても金利は付きません。生活に必要なお金は普通口座に置いて、余裕のある金額を金利が付く口座に移動させましょう。
金利のイメージとして、例えば$5,000を年利3.50%の口座に置いておけば、月に約$15は利息が付きます。日本の現在の銀行金利は0%に近いので銀行に預けても金利はほぼ付きません。大きな差です。
銀行口座開設プロセスと必要書類
最近はウェブ経由のオンラインでも口座開設の申請を出来るようです。支店に行って口座を開設する場合は事前にアポイントを取りましょう。
コロナ禍以前はゴールドコースト内の各銀行のサーファーズパラダイス支店などに日本人担当者がいましたが、現在は不明です。
銀行の支店にアポイントを取る際に日本人担当者がいるのか質問してみる事をお勧めします。
NAB
オーストラリア到着後6週間以内の場合はパスポートとオーストラリア到着日の証明が出来るもの(パスポートへの入国スタンプ、または航空チケット)、イミグレーションからのビザに関するレターのコピーが必要です。入国した航空チケットは必ず保管しておきましょう。
オーストラリア到着日の証明が出来る物が無い場合、または6週間を経過してしまった場合はパスポート、運転免許証、学生カードなど複数の証明書を持参する100ポイントチェックが必要になります。
ANZ
パスポートのみ
Commonwealth
100ポイントチェック必要(パスポート、運転免許証など)
Westpac
パスポートのみ
口座開設にあたっては、住む場所の近くにATMや支店があるか?そして口座維持手数料はいくらかかるか?またせっかく金利が高いオーストラリアにいるのですから少しでも金利が高いサービスがあるのか?などを総合的に考慮して新規口座を作りましょう。
口座維持手数料はNABを除いて各社とも月額数ドルの設定をしていますが、条件次第で実質無料になっているのでほぼ各社とも差はありません。
銀行口座開設と合わせてインターネットバンキングの申し込みも行いましょう。スマホやiPadなどから簡単にアクセスして資金を移動できます。
現在オーストラリアはインフレ抑制のために中央銀行が金利を何度も上げてきました。各銀行もそれに呼応するように金利が高いセービング口座の金利を上げています。専門家の予想によると今後ももう少し金利が上がるのではないかとされています。
空前の円安に加えて、日本よりも遥かに高い金利を提供するオーストラリアの銀行。
日本からワーキングホリーや学生などで来豪して銀行にお金を入れておくだけでも資金が増える事を実感できるのは現在の日本ではない経験だと思われます。
以上、銀行口座開設のポイントとお勧めについてでした。